Tooth Extraction
抜歯
抜歯とは
「抜歯」とは、智歯(親知らず)や治療の継続が困難になった歯を、人為的に抜くことです。口腔外科は、一般歯科などに比べ、私たちにあまりなじみのないように思われますが、「抜歯」というと、世間一般では口腔外科で行なう代表的な処置と認識されているようです。「口腔外科で親知らずを抜歯した人が周りにいる」という方も多いのではないでしょうか。 実際に抜歯のために来院される方は多く、当センターで行なう外科処置のなかでも、抜歯の頻度が一番高くなっています。ひと言で抜歯といっても、以下のように難抜歯、埋伏歯・智歯(親知らず)の抜歯など、さまざまな症例があります。
抜歯の種類
難抜歯
「難抜歯」は、歯根(歯の根)が肥大・湾曲している歯、歯根に骨性癒着(歯を支える歯槽骨と歯が癒着すること)を発症している歯など、何らかの異常が見られる歯を抜く処置です。通常の方法で抜歯を行なおうとしても、簡単に抜けるものではないので、歯根を分割したり、歯の周囲の骨を削るなど、複雑な外科処置が必要です。
埋伏歯の抜歯
「埋伏歯」(まいふくし)とは、歯肉の上に出てきていない歯のことで、歯が歯槽骨(歯を支える骨)の中に完全に埋まっているものと、歯の一部が見えているものがあります。次の項目でご説明している「智歯」も埋伏歯に含まれます。 歯槽骨の中に埋まっている場合、骨を削る必要があるので難抜歯の処置を行ないます。
智歯の抜歯
「智歯」(ちし)は別名を「第三大臼歯」といい、前から8番目の歯のことです。通称「親知らず」として知られています(以下、「親知らず」と表記します)。親知らずは、他の歯に遅れて17〜21歳頃に生えてきますが、誰にでも生えてくるわけではなく、元々親知らずが存在しない人や、存在しているのに生えてこない人もいます。口腔外科で抜歯することが多いため、世間一般では「親知らずの抜歯は難しい」という先入観があるようですが、普通に生えていれば、通常の抜歯と変わりません。しかし、水平埋伏歯(真横になった状態で埋まっている歯)の場合は、抜歯が困難になることがあります。
歯が生えてこない理由
現代人の口腔内の面積や奥行は、古代人に比べ狭くなっています。それにもかかわらず、生えてくる歯の数は変わらないので、生える場所が足りなくなるという問題が起こります。 つまり、普通の歯のように生えるのが難しくなり、歯肉・歯槽骨の中に埋まったままの状態で存在するようになるのです。